2008/01/16

マイクロソフトがITゼネコンになるとき




そのころ郵政省の研究会で、こうした動きに対して一人で闘っていたのが、マイクロソフトの古川享会長(当時)だった。だが四面楚歌で、ある委員からは「古川君、インターネットのような邪悪なものを放送の世界に持ち込まないでくれたまえ」といわれたそうだ。しかし時代は変わった。マイクロソフトは、ウィンドウズVistaにB-CASを搭載するという。B-CAS社という私企業が、何の法的根拠もなくすべてのテレビを「審査」して料金を徴収するシステムには、「非関税障壁だ」としてマイクロソフトもインテルも反対したが、もう「外圧」の時代は去った。アメリカ政府は日本との通商問題には関心をもたなくなり、ARIB(=郵政省)と電機メーカーとテレビ局は、密室でこの「日の丸規格」を決めてしまった。マイクロソフトは、もう闘うのをあきらめたのだろう。彼らは、テレビ局の幹部を引き抜いたりして、「日本の会社」になろうとしている。公共部門には、IT ゼネコンから「官公需営業20年」のプロがやってきて、その孫請けで稼いでいる。それは彼らにとっては、賢明な戦術なのだろう。おかげで「変われない日本」が衰退しても、マイクロソフトには知ったことじゃない。長いものには巻かれろ、と英語でもいうじゃないか:
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