2008/03/03

Homo-hygienicus




1893年のエピソード。フランスの母子健康保健診療所を設立したガストン・ヴァリオは、診療所が母親たちを無意識のうちにホモ・ヒギエニクスに変えるありさまに満足してこう書いている。
女たちは診療所に来て、一緒に子供の服を脱がせるのだが、その時に無意識に自分の子供を他の子供と比べる。これまで授乳を怠ってきた母親たちがすぐに改善するのに、この経験だけで十分である。母親たちは、互いに話し合ったりしないが、自分の子供と他と較べてどうかということを無意識のうちに判断し、気に留める。そして恥ずかしいという感情を持てば、もう汚くて世話が行き届かない子供を連れてきたりはしない。
先日取り上げたラービッシュが、こういうことを念頭に置いていたのかどうかは分らないが、労働者たちがホモ・ヒギエニクスに改造される過程では、こういう「競争」も働いていただろう。そしてその時に、「裸にする」ということがクルーシャルだったこと、あるいは医者がそう考えていることは、象徴的である。
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