2007/11/12
「サブプライム・ローンの問題は、不動産にとどまらず、あらゆる資産の格づけへの不信をまねき、市場を崩壊させるおそれがある」と指摘した。特に7月10 日に、不動産担保証券の格づけが大幅に引き下げられたことが、格づけ会社の審査への疑惑を広げ、図のように格づけAの優良資産の金利スプレッド全体が急拡大した
不確実性に直面したとき、人々が市場でどういう行動をとるかについて考察したのは、実はナイトではなくケインズである。確率論の専門家でもあった彼は、貨幣の存在理由を「将来の金利の不確実性」に求め、これを流動性選好と名づけた。1930年代の大恐慌をもたらした原因は、金融システムの崩壊によって投資家がリスクを恐れ、現金(流動性)に逃避したことにある、と彼は考えた。ケインズはこういう状況では金融政策は無効だと考えたが、フリードマン=シュワルツは通貨の増発などの政策で金融システムの崩壊を食い止められたはずだと指摘した。
フランク・ナイト
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フランク・ハインマン・ナイト(Frank Hyneman Knight, 1885年11月7日 - 1972年4月15日)は、20世紀前半に活躍したアメリカの経済学者。ジェイコブ・ヴァイナー、ヘンリー・シモンズとともにシカゴ学派の創設者である。
ミシガン大学、テネシー大学を経てコーネル大学で学位を取得。コーネル大学講師、シカゴ大学講師、アイオワ大学助教授を経て、1928年にシカゴ大学教授に就任、1950年にアメリカ経済学会会長となった。
ナイトはアルフレッド・マーシャルの経済学を継承し、道徳哲学に裏付けられた自由主義と自由企業制度の改革と社会進歩の考えを深化した。また、ミルトン・フリードマンやジョージ・スティグラーといったシカゴ学派の第2世代と呼ばれる経済学者を育てたが、ナイトの道徳哲学は継承されなかった。
ナイトの経済学における最大の業績は、著書『Risk, Uncertainty and Profit(危険・不確実性および利潤)』である。ナイトは確率によって予測できる「危険」と、確率的事象ではない「不確実性」とを明確に区別し、「ナイトの不確実性」と呼ばれる概念を構築した。
ナイトは、不確定な状況を3つのタイプに分類した。第1のタイプは「先験的確率」である。これは例えば「2つのサイコロを同時に投げるとき、目の和が7になる確率」というように、数学的な組み合わせ理論に基づく確率である。第2のタイプは「統計的確率」である。これは例えば男女別・年齢別の「平均余命」のように、経験データに基づく確率である。そして第3のタイプは「推定」である。このタイプの最大の特徴は、第1や第2のタイプと異なり、確率形成の基礎となるべき状態の特定と分類が不可能なことである。さらに、推定の基礎となる状況が1回限りで特異であり、大数の法則が成立しない。ナイトは推定の良き例証として企業の意思決定を挙げている。企業が直面する不確定状況は、数学的な先験的確率でもなく、経験的な統計的確率でもない、先験的にも統計的にも確率を与えることができない推定であると主張した。
そしてナイトは完全競争の下では不確実性を排除することはできないと主張し、その不確実性に対処する経営者への報酬として、利潤を基礎付けた。
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