そこで援用されるのがデュルケムである。社会学の教科書を見ればどこにでも書いてあるのだが、彼の社会変動論は均質な諸個人による機械的連帯と「市民」による分業を媒介した「有機的連帯」を区分し、前者から後者への「社会進化」を考えたわけだが(「物質的密度」「動的密度」をいかに考えるかにもよるので「社会進化」論的なものとみなすかは細かい議論があるかもしれない)、重要なのは、有機的連帯が分業による交換とその前提となる契約を基礎としながらも、公正な契約のためには契約以外のなにものかが必要であると考えた点である。
0 件のコメント:
コメントを投稿