2008/02/05

蝦夷vs東京帝大=阿片王=「赤い男爵」




星新一『人民は弱し官吏は強し』…父・星一の、星製薬創業・発展期における苦闘を描いた作品。星一は同じ東北地方出身であったことから後藤新平の知遇及び強い庇護を受けており、そのことを嫌った政界内の反後藤陣営(主に憲政会系の勢力)や彼らと結びつきが強い内務省(直接には製薬業界を所管する同省衛生局)の官僚らからしばしば企業活動への妨害を受けた。さらに後者に関しては、内務省は東京帝国大学出身者が強力な学閥を形成しており、後藤も星もその学閥に属していないことも関係が深かったとされる(なお、皮肉にも星新一自身は東京大学出身である)。

後藤は「赤い男爵」といわれたが、後藤はあくまで日本とロシアの国民としての友好を唱え、共産主義というイデオロギーは、単なるロシア主義として恐れるに足らず、むしろ、ソビエト体制の軟化のために日露関係の正常化が望ましいとしていた。
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