2008/02/18

「誤帰属」(misattribution)=過労になると脳下垂体細胞が次々と死滅 大阪市大実験asahi.comって繫がってる




ジョエル・スポルスキー(Joel Spolsky)

犬を使った有名な実験がある。21世紀の今なら動物愛護団体が飛んできそうな話だが、彼らは犬に電気ショックを与えた。一方のグループの犬はレバーを押すことでショックを止めることができ、他方のグループはレバーが機能せず、痛みを止めることができない。「やっても駄目だ」と学習したグループの哀れな犬たちは、徐々に無気力になり、鬱病に似た症状を示したという。
 人々はコントロールの主導権がないと分かったときに無力感に苛まれ、不幸になる。

ブログに写真をアップロードしたいだけなのに、システムの更新を強要され、更新ファイルのダウンロードを始めたと思ったら、今度は接続が切断される。プログレスバーが100%に達してダウンロードが終わったかに見えたと思えば、再びプログレスバーがゼロからスタートする。「インストーラを作る人たちは100%ってことの定義を知らないみたいですね」と、スポルスキー氏のジョークは手厳しい。ひょんなことでデジカメのケーブルがUSBポートが抜ければ、「抜く前に先に言えよ」とシステムに怒られる。今のPCではユーザーにコントロールの主導権がないことがあまりに多い。

SUVは車高が高いぶん、事故で転倒する確率が高く、死亡事故発生率が他の車種よりも高い。しかし、メーカーとしては、そうも言えない。困ったアメリカのある自動車メーカーはフランスの著名なコンサルタントに相談に行く。そのコンサルタントが出した答えは、工学的にはナンセンスな、あるいは少なくとも工学には無関係のマーケティング上の処方箋、「安全設計のためにはカップホルダーが重要だ」というものだったという。しかも、車高はできる限り高くするべきだ、というのだ。

モダンな建築様式に相当するのは、ソフトウェア環境で言えばUNIXだ。昨今のヘビーなGUIやデスクトップ環境を備えたUNIXではなく、テキストベースのUIには、一切の無駄がなく、かつ必要な情報が、すべて表示されている。「しかし、人々が愛するのはUNIXではなく、Mac OS Xだったりするのです」。そういってスポルスキー氏は“無駄な装飾”だらけのデスクトップを大写しにして、改めて聴衆の関心をUIとは何かという難しいテーマに振り向けた。

人間は、自分が感じている感情や生理的な反応の原因を、直接因果関係のない事象に帰結させてしまう傾向を持っている。心理学者が「誤帰属」(misattribution)と呼ぶこの現象を、スポルスキー氏はこういう例で説明する。
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