2008/02/18

Sea-Based X-Band Radar=巨大なゴルフボール=約4800キロメートル離れた位置にある野球ボールの回転さえ判別する能力を備えている。




Sea-Based X-Band Radar

巨大なゴルフボールが配備された。CNNは、「(ミサイル防衛用の)海上X波レーダーについて、衛星の軌道を追跡するように改変が加えられる」と報じている。
ものも巨大なら、賛否の議論も大きい『Sea-Based X-Band Radar』のことだ。
8億1500万ドルの経費を費やした、28階建てで球体のこの装置は、理論的には、約4800キロメートル離れた位置にある野球ボールの回転さえ判別する能力を備えている。
しかしその一方で、悪天候と高波に影響されやすいこともわかっているし、長年にわたり、修理工場入りを繰り返している代物でもある。
ところで、今回の計画にかかる費用は膨大だ。ペンタゴンの当局者がCNNに語ったところによると、「有害となるおそれのある衛星を迎撃ミサイルで撃破しようという、米国海軍によるこの試みは、4000万ドルから6000万ドルの費用がかかるだろう。ミサイルだけで約1000万ドルがかかる」という。
この計画に関しては、米軍の主張する理由について疑念を表明する専門家が多い。「10億ドルかけた衛星の失敗に尻拭いに数千万ドルを費やし、しかも誰の命もかかっていないという状況はまるで喜劇だ」という専門家もいる。
ヒドラジンはたしかに有害な燃料だが、今回のリスクはほとんど無視できるほどの大きさだという。また、ヒドラジンを積載するタンクと同様のタンクがあるスペースシャトル『コロンビア』は再突入で問題が生じなかったし、ヒドラジンを積載したまま大気圏に突入したケースはこれまでにたくさんある。Ed Kyle氏によれば、大気圏に突入したある程度大きな物体は2007年だけで42件(うち9件は人工衛星)で、そのうちの少なくとも1つはヒドラジンを積載していた。
専門家の意見では、今回の撃破計画にはいくつかの動機がある。撃破しない場合、スパイ衛星の秘密技術が敵国の手に渡る恐れがあることのほかに、軍がミサイル防衛システムの能力を実験できること、1年前に衛星破壊実験を行なった中国への警告などだ。
New York Timesの記事によれば、ミサイル防衛システムには、2002年度に最初の予算が組まれて以来、現在までに578億ドルが費やされてきた。今回の計画が成功すれば、更なる予算拡大が認められる機会になると見られるが、一方でもし失敗したら、このシステムへの批判が強まる結果になるだろう。衛星を撃破することは、ミサイルを撃破することよりも技術的には簡単と見られるからだ。
Posted by Picasa


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